director's voice

池田ひなこさん/金工

Q1
金属造形で楽しい作品展開をなさる池田ひなこさん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
彫金や鍛金といった金属工芸の技術を用いて、銅や真鍮や銀などの素材を使って立体作品を作っています。
空想の世界を形にし、その時自分が感じていることや想いを作品に込めて制作しています。
金属で制作した立体のオブジェや、オルゴールを入れた作品の他に、日常で楽しんでいただけるような時計やアクセサリーなどを出品する予定です。


【手品師のトランク】オブジェ
この作品はとある手品師が持ち歩いている姿を想像して制作しました。
その手品師とは、人を楽しませることが好きで子供のように無邪気な人。
トランクの中の不思議な世界は手品師の楽しいトリックの世界です。
自分の作ったもので誰かを楽しませたい、喜ばせたい。
ちょっと懐かしい気持ちになったり、暖かい気持ちになったり。
自分の作品にそんな力があるのかなんて分からないけど、ただただそんな想いで制作したのがこのトランクの作品です。

 


【ひまわりにさよなら】オルゴール
『毎年変わらない姿で咲くひまわりに会いに行く
11本のひまわりの花言葉は「最愛」
最愛の思い出に会いに行く』
オルゴールをいれた作品です。
子供の頃の思い出や人の成長、出会いと別れ。
夏のひまわりに想いを重ねて制作しました。

 


【ナスタチウムの冒険】オブジェ
『小さな世界を覗いてみたい 土の中や葉っぱの陰
植物の中でひっそりと暮らす 生き物たちの世界
葉っぱの下をくぐり抜け、かくれんぼしている生き物たちの姿を探す
小さな梯子を登ってみると、ナスタチウムの花の上に小屋が建っていた』
自然や生き物たちに目を向けること、興味をもつことを大切にしたいと思った。
人と自然の共存を願い制作した作品です。

Q2 -2
池田ひなこさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
器が好きで特にカップ類は気に入ったデザインがあると、新しいものでも古いものでも、ついつい集めてしまいます。
朝起きたときや作業の合間に、お気に入りのカップでお茶やコーヒーを楽しむ時間が好きです。
なかでも祖父から母からと、譲り受けたドイツのメリタ社のセラクロンシリーズの真っ赤なカップがお気に入りで、とても大切にしています。

おじい様、そしてお母さまから受け継がれたカップ、とても素敵な器、見せてくださってありがとうございます。

今年、ニッケ鎮守の杜木立のもとでは、池田ひなこさんの物語を感じさせる金属造形の作品が並びます。
この場で、どんな風に物語がふくらんでいくのでしょう。
さまざまな方々の心に宿る物語がとても楽しみです。

池田ひなこさんのホームページはこちらになります。
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